日本酒できるかな その2 ~蔵での生活~

板野酒造場は岡山市西部に位置する小さな酒蔵。

吉備津彦神社という桃太郎で有名な神社のほど近くにあります。



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        →隣接している店舗では小売もやってたりします。




年間の生産量はわずか100石から150石程度。
きびの吟風取扱量のほとんどは地元岡山で消費されてしまい、他県にはなかなか出回らないのが実情。特に愛知県で飲むにはかなり難しいお酒、と言えます。



なかやんの実家は岡山市東部。
蔵にお手伝いに行くときには朝5時に起きて、すぐに支度を整え板野酒造に向かいます。



蔵に着くと、まずは控室に。

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          →控室
           ここで着替えたり、休憩したり、暖を取ったり。


ここで全員が揃うのを待ちます。



全員が揃ったところでI野さんの「よっしゃ、行こうか」との声がかかり、全員で蔵の中へ。ピーンと張り詰めた冬の空気の中に入っていくと自然に背筋がのびます。

もちろん蔵の中にはほんのりと日本酒のいい香りが。




紙の帽子をかぶりマスクをしたら、もちろん手洗いと消毒を。

なかやんは食品関係の仕事に従事したのは初めてだったのでオドロキだったのですが、ホントに彼らはよく手を消毒します。ちょっと作業をしたら手洗い、部屋を移るときにも手洗い。もちろん手洗いにはセットでアルコール消毒付き。
一日に何十回と手を洗うこともザラです


おかげで手の脂はすっかり抜けきってカサカサに。
一週間もいると手の皮はボロボロになってしまいます。


食品関係は全般的に清潔を旨としているのでしょうが、特に雑菌に対してナーバスな醸造関係の仕事は雑菌撲滅のために想像以上の労力を払ってるんですね。


意地は汚くても指だけはキレイだったなかやん。
修行の間にすっかり指まで汚くなってしまいました^^;


しかしやっぱり酒作りでは清潔は全てにまさり優先される事項なのですね。

作業の空き時間が少しでも出来れば水洗、消毒、掃き掃除。
冬の冷たい水で道具洗いするのは思った以上にツライ仕事。

でもそれもこれもみんな美味しいお酒のため。がんばらなければ。





一般的にお米がお酒に変わるまでは約30~40日。
従って何種類ものお酒を作る(普通酒、本醸造、純米、吟醸・・・など)場合は毎日違うお酒の作りをスタートしてやるわけです。

【イメージ】
   ▽:初日  
   ▼:最終日


純米酒:  ▽-----------→▼

吟醸酒:     ▽------------▼

大吟醸:         ▽------------▼


この絵で言うと大吟醸の初日には吟醸酒の5日目、純米酒の8日目の仕事も平行してやらなければいけない、ということ。

つまりお酒の種類が増えれば増えるほど同時平行的に多様な酒の管理をしなければいけない、ということ。

コレ、やってみなければなかなか実感はわかないでしょうが結構骨が折れる仕事です。





骨が折れると言えば力仕事も。
なるべく人の目が行き届くようにと、必要以上の機械化は行っていない昔ながらの酒蔵。

特に原料の米や麹の運搬は出来るだけ丁寧に扱わなければならないため、ほとんどが人の手によることが多いです。

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          →これが一日に使う米。
           一袋は30kg。
           家庭用の米袋が普通10kgなのでその3倍。
           その袋をこれだけ。これ全部人力で運びます。
           運び終わったら腕も腰もパンパン。




また安定した品質を保つためには徹底した温度管理と計量が欠かせません。
固体物質を扱ったことのある人は分かってもらえるかと思いますが、固体の温度管理ってのはホントに難しい。

ホラ、できたばっかりのオニギリって表面と真ん中で温度が違うじゃないですか。
じゃあ、どこの温度を測ればいいのか、ってそれがなかなかわからない。

経験と勘がものをいう世界です。
うーん。この辺がやっぱりプロの世界なのかな。







それにしても「清潔」「力仕事」「細かな計量・計測」などなどなかやんの苦手分野のものばかり。

果たしてこんな人間に酒造りが務まるんでしょうか。

不安と期待が交錯しながらも酒造りは続いていきます。


次章からはいよいよ各工程の解説を。

お楽しみに!
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by umanichi | 2009-02-10 23:18 | 大人のできるかな  

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